「再治療を繰り返さない」と題して、私たちのコンセプトとミッションについての簡単なパンフレットを造っています。明日から配布予定ですが、文章のみ先行してコチラにアップします。ちょっと長いですがね…
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再治療を繰り返さない
誰もが避けたい歯の治療。しかし長い人生、一生無傷とは行きません。
それから「治った!」と思っても、どうもそのままではないようです。その証拠に私たちが手がける治療のほとんどは「再治療」や「再々治療」です。
なぜ再治療は当たり前のように繰り返されるのでしょう?
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何か病気になったとき「悪くなったら医者が治してくれる」と考えるのが普通だと思います。カゼをひいてどうしようもなくなったとき、注射の1本も打ってもらい元気になれば誰もがそう思うでしょう。
しかし多くの場合そこに
反省は無く、また忙しい日常に帰って行く事になります。カゼが流行ってるんだからしかたがない、自分に責任はないと考えるのが普通です。
歯科の場合、ムシ歯や歯周病は誰にでもあるし、悪くなってもちょっとがまんして口を開けていれば治してもらえる、そういう感じだと思います。
ではその結果、今の高齢者のお口の中はどうでしょう。かなりの割合で問題を抱えています。今までの常識では歯を守れない事が証明されているのです。
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実は医者には病気を治す事はできません。できるのは「治すお手伝いすること」だけです。薬を選んだり手術をしたり、いろんなアドバイスはしますが、それはただのお手伝いです。治すのは他ならぬ「自分」です。それから病気を造ってしまったのも、強力な伝染病以外はほとんどが「自分」です。
医学の歴史は伝染病などの細菌感染との戦いから始まりました。そしてその考え方が未だ変わらず、病気はしかたがないものと考えられているのです。
そして世の中には、あなたを病気に陥れる様々な罠が存在します。たとえばさっき食べたもの、それは本当に体に必要なものなのでしたか?無用な、もしかしたら有害なものはありませんでしたか?今日問題になっている病気とは、ほとんどが
「食べ物発」になっています。
なのにそのようなものが多く売られています。良いものはなかなか手に入らなかったり、値段が高くて簡単に手は出せません。
また日常のストレスは飲食で解消するのが一般的です。病気の種はこんなところに潜んでいます。
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罠とは、歯科の場合だれもが知っているように「甘いもの」が筆頭です。もちろん砂糖は歯以外にも様々な害をもたらします。しかし砂糖を避けて暮らす事は、現代人には不可能といってよいと思います。
また今日の食物は「加工食品」が圧倒的に多いという事も重要です。最初から柔らかいので歯の隙間に簡単に潜り込んでしまい、簡単には取る事ができなくなります。
口の中は体温と同じ36℃です。しかも湿度は100%、これは真夏の生ゴミとか、部屋を締切って高温になった台所のシンクと同じ状態、要するにものが腐る環境です。そこにムシ歯の菌がいればムシ歯に、歯周病原菌がいれば歯周病になる、理屈はこんなに簡単です。
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ところで私たちが治療に先立ち最初に行うのが、顕微鏡とビデオメガネを繋げた「お口の実況生中継」と、それを元に造る「お口の診断書」です。これが自分自身だとはあまり思いたくないかもしれませんが、そもそもどうなっているのかが解っていないから不安なわけですし、このままでは何をされても心配でしょう。
口の中とは、見えそうで見えない部分がほとんどです。顕微鏡を通して見た自分自身に、誰もが驚く事になります。治療した跡に隙間があったり、意外にも歯垢(プラーク)がついていたりです。
もうお解りでしょう、これが再発の原因です。磨いているつもりでも、ぜんぜん磨けていない、これが現実です。甘いものだけではない、加工食品の悪影響は添加物の話だけではないのです。
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ところでその「隙間がある」とはどういう事なのでしょう。ちゃんとやってもらったはずなのに、これは建物でいえば「
雨漏りしてる」のと同じです。
実は冠や詰め物などの人工物は精密機械と同じレベルの精度が必要で、段差なくできていなくてはなりません。それを狭く暗い口の中で、しかも短時間で仕上げる事は本来不可能です。しかしそれを知らない人が制度を造り常識となってしまったため、日本人は先進国の中では最も歯が悪い、韓国やシンガポールの人々の方が良いという状況になってしまったのです。
そしてもう一つ重要な事、それは「歯垢がついたまま治療に入っている」、つまり原因が解決していないのに、形だけ補うことが優先されてきた事です。
原因が解決していないことには、再発はすぐなのは誰でも解るでしょう。しかしもう一つ重要でしかも直接響いてくるのは、「歯垢がついている状況では『型取り』や『詰め物』がうまくできない」という事です。
たとえば型取りをして冠を入れる治療があります。 その継ぎ目は歯肉の中にもぐってますので、このままでは型取り材が入って行きません。保険治療ではほとんどがそのまま型取りをしますので論外ですが、私たちは必ず「歯肉圧排」といって、細い糸を歯肉に挿入し、歯と歯肉を僅かに離してからシリコン製型取り材を流しこむ方法をとっています。歯の形はこうして正しくとれるのです。
ところが歯が磨けておらず歯垢が着いていると、歯垢ごと型取りするので最初から合わないものしかできません。
それどころか歯垢で歯肉に炎症が起きているので、糸を挿入すると簡単に出血し、型取り材がはじかれてしまいます。保険治療で歯肉圧排がほとんど行われない理由はこれを嫌ってです。
充分な歯ブラシ指導が行えず、また理解もしてもらえず、原因が解決していないまま型取りが行われる、これでは合わないものしか造れません。ところが合ってなくても誰も気がつかない、歯科治療とは闇の中にあったのです。
では自由診療専門である私たちはどうするか、まず顕微鏡を使うのは当然です。そして患者さんに現状と悪くなった原因をお知らせし、その解決策をいっしょに考えます。そのため私たちのスタッフ全員が国家資格である歯科衛生士であり、秘書検定合格者であり、さらに就業年数が規定以上の者は日本顕微鏡歯科学会の認定者です。このような布陣は現在日本には私どもの所だけ、全ては患者さんの未来のために必要な事なのです。
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最初に書いたように、治療とは「してもらうもの」と考えがちです。しかしここまで書いてきたように、特に歯科治療では患者さんの日々の協力が必要です。簡単に言えば「磨いてください」という事です。
しかし加工食品が多い今日、100%磨ける方はおられません。ですから代わりに歯科衛生士があなたの歯を磨きます。月に一度、髪を切るような感覚で私たちを利用してみる事をお奨めしています。その後ビデオメガネでお口の中を見てみれば、今までとはまったく違う自分を見る事ができるでしょう。
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面倒な事にはできるだけ関わりたくないと、病気をまるで他人事のように目を背ける方が増えています。日々お忙しいのは解ります。しかし今までの常識では再発は繰り返されます。人工物での修復には限界があります。悪くなった原因を解決し、正しい方法で修復し晩年に備える。超高齢社会に対する私たちの答えの一つです。
私たちが「治療」と「メンテナンス」を同時進行する独自の方法をとっているのは、このような理由からくるものなのです。どんどん良くなって行くあなたにお会いするのを楽しみにしています。